レフト (left field)
out of/from left field 思いもかけない
The end of the world may come out of left field.
(世界の終わりは思いもかけないところから来るかも)
ライトゴロで1塁アウトというプレーはたまにある。1塁とライトは近いからね。1塁から最も遠いレフトに転がったゴロは、そうはいかない。あんな所から1塁めがけて矢のような送球が出来る鉄砲肩がいたらお目にかかる。
つまり⑨→③1のアウトはあっても⑦→③2でのアウトは、ほぼ不可能。そんなところからout of/from left field(レフトから)は、野球以外では「思いもかけない(ところから)」ことを意味する一般用語に発展する。
実戦でこんなアウトがあるワケはないと思いつつ、まあ念のためにと大リーグの記録を覗いてみたら、あるんですねえ、これが。それも3件。状況の記載はないから、どんなワケでそうなったのかは不明だが、大リーグの記録はいつもレフトから来るなあ。
注1:右翼→1塁
注2:左翼→1塁
A: Why is he so upset?
B: Because his ex-girlfriend came out of left field.
A: 彼、何を慌ててるの?
B: 思いもかけず元カノが来たんだよ
おまけ
記録オタクのクリス・フォードという人物がまとめた統計では、1952年から2015年までの64年の間に大リーグで記録されたアウトの総数は6,097,902個だという。その27.5%に当たる1,754,733個が1塁でのアウトだそうだ。
⑦→③でのアウトはそのうちのたった3個だから、「レフトから」が世間では「思いもかけない」ことを意味する慣用句になったのは頷ける。そうそう、折角レフトにヒット性のゴロを転がしながら1塁で刺された情けないバッターは、Elmer Valo(1950年)、Paul Molitor(1979)、Kevin Elster(2000)の3人である。こんなマヌケな話はないから、多分1塁に向かって走るうちに転んだのだろう。
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