1塁 (first base)

get to first base     第一段階をクリアする

What is most important is for us to get to first base.

(最も大切なのは第一段階をクリアすることだ)

 野球は几帳面なスポーツだ。1塁から順に2塁、3塁と回ってホームに帰って来るまで点にならない。点を取るにはまず1塁を踏むのが第一段階。というワケで「1塁に出る」が直訳のこのget to first base、一般社会では「第一段階をクリアする、突破する」ことを意味する慣用句になる。

 夜の巷で出遭った知らない人の家について行くテレビ番組を観ていたら、50台のオジさんが出てきた。なんでも女子大生との初デートの帰りだとかで、「それで?」と訊かれて「チューしたかったけど、出来なかった」と大真面目に答えていた。こんな時こそ、このフレーズの出番なのである。

A:  So, how did it go with her?

B:  Well, I couldn’t get to first base.

A: それで彼女とはどうでした?

B: それがチューも出来なかった     

おまけ

日本野球史上最高の1塁手は誰かと訊かれれば、王貞治さんの名前しか思い浮かばない。大リーグでという話になったら、アメリカでは10人が10人ルー・ゲーリッグの名を挙げる。Iron Horse (鉄の馬)と呼ばれ、1922年から難病で引退する1939年までヤンキースで活躍した、超の字がつく大選手である。

しかしそこはメジャーリーグ、名1塁手は他にもごろごろいる。例えばゲーリッグと同時代にセントルイス・ブラウンズにいたジョージ・シスラー。1920年には4割7厘を打った強打者で、守備も名人。もちろん殿堂に祀られている。

こんな伝説がある。1・2塁間のゴロを横っ飛びに捕ったシスラーが、身を翻して1塁ベースにトスを送る。ところがベースカバーに入っているべきピッチャーは、なぜか未だマウンド上。1塁はガラ空きのままである。

それを見てとったシスラー、投げたばかりの自分のトスを追いかけて捕まえ、そのまま打者走者より先にベースを踏んでアウトにしたという。どうです、スゴい1塁手じゃありませんか。

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