ストライク(Strike)

ストライク(strike)

Jack has a lot of debt. He is down to his last strike.

(ジャックは借金だらけ。彼はもう後がありません)

野球英語のstrike(ストライク)を使ったdown to ~’s  last strikeという慣用句。「最後のストライクが来たらアウト」が直訳。ストライクを2つ取られて、もう1つ取られたらそれでおしまいを意味する。1800年代のアメリカで野球人気が盛んになるにつれ、このフレーズは「お手上げ」「追いつめられる」の意味で通用するようになった。「ヤバいことになる」という意味もアリですね。

A: How are we doing on our new project?

B: Well, we are going to be down to our last strike, if the   loan is not approved.

A: 我々の新プロジェクトはどう なってる?

B: それが、融資を断られたらヤバいことになります

おまけ

大谷投手が三振を取るたびに、エンゼルスファンが掲げるボードにKの字が増える。「三振」は英語でstrike-out。なぜ、Sをさしおいて、Kが「三振」なのか。

「エラー」はE、「ホームラン」はHRのように、野球のパフォーマンスを最初に記号化したのは野球記者だったリチャード・チャドウィクという人。Sはすでにsacrifice(犠打)に当ててしまっていたから、苦肉の策でstrike-outのstrikeを過去形のstruckにして末尾のKを「三振」に当てたわけ。1870年ごろの話。

たまに左右が逆のKがあるけど、これは見逃しの三振。ちなみに、守備のポジションにピッチャーは[1]、キャッチャーは[2]と順送りに番号を振っていくのも、チャドウィク氏の考案である。試合の膨大な情報がスコアブックのペラ1枚のページに収まるのは、この人のおかげだ。その功績で殿堂入りしたが、ジャーナリストではチャドウィクただ一人。本場の殿堂は資格審査が厳しいのである。

「大リーグで英語しよう」は毎週土曜日更新予定

By Shin S: 日本の英字新聞、アメリカの雑誌記者などをつとめながら国内外の野球界に身をおいてきた経験者。

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